Questions about training..

2014年12月 8日


昨日の会場では多くのCXライダーの方々から質問を頂きました。
その中で1番多かった質問について自分なりの考えを書いていきます。


【レース後半でタレてしまうのですが、良い練習方法ありますか?】


シクロクロスではクラスにもよりますが長くて、1時間、短くて30分の間の中でレースをします。
ここで、自分の考えです。


例えば、30分のレースの場合、『30分トータルで1番速い走り方をする』という考えが前提にあります。
40分でも、50分でも1時間でも同じです。


「あそこの上りの区間が速かった」
「あのシケインの区間が速かった」というのはあまり関係ないと考えています。(自分の場合)
1番はトータルでの速さなのです。


シクロクロス、MTBのクロスカントリー競技も同じだと思いますがおおよその競技時間が決まっています。
そして、ライバルと競い合うこともありますが、その大半が自分との戦いです。


さて、トレーニング方法についてです。
もし10分間のある程度の強度の走りをするときに何を考えますか?

がむしゃらに10分間、ハァハァしますか?


そういう練習をしている人は、レース後半に「タレる」、業界用語で『黄金のタレ』をかますことになります。


自分の場合は、『10分間で1番遠くへいけるように走る』と考えて走ります。
よく10分走、平均何ワット・・・ という練習をする方がいますが、これは数字を出すための練習になっています。
もちろん、それも大切、でもレースで使えるでしょうか。


様々な状況の中で10分間で1番遠くへいく。
単純だけど、頭を使わないとうまく走ることができません。
アップダウンや、風、シクロクロスだとその途中に泥があるかもしれません。
その中で1番遠くへ走る方法を考えるのです。


練習の負荷のかけ方についてですが、10分間走ってペースが落ちないペースで走るのが大切です。
ここは自分の力を正直に認める強い気持ちが大切になります。
ここはわかりやすく伝えるために書くのですが、大抵の人ははじめのペースが速すぎて後半に失速するパターンが多いです。
これは自分の力を『過信』している最もなパターンです。


10分間ペースが落ちないで走るペースは、自分が思っている以上に低い負荷だということを自覚して走らなければいけないのです。
これが、もし30分だったり、1時間だと負荷はもっと低くなります。
自分も1時間から1時間30分走をするときは、『こんなに弱いのか・・・』と感じながら走っていますが、最後までペースが落ちないで走れるペースというのはそんなものなのです。


10分間でペースの落ちない足にかかる負荷というものが身体でわかったら、今度は3分間の走りをしてみましょう。
3分間だと10分間の走りに比べて速いペースで走れるはずです。
この時、頭の中では『10分間の時よりも負荷を高くして走っている』という自覚の中で走るのが大切になります。
それで、3分間ペースの落ちない走りができたら、1分間のペースが落ちない走りをやってみるのです。
その時も同じで『3分間の時よりも負荷を高くして走っている』というように自覚しながら走るのがとても大切なことになります。


逆に、20分間の走りをするときはどうでしょう?
その時も先ほどと同じで、『10分間の時よりも負荷を低くして走っている』という自覚をもって走るのが大切です。


これが、【自分をコントロールしている】という状態だと思います。


レースの後半でタレてしまう方も、日々の練習をしていると思います。
その時に2分の全力走!とか
5分間の強度の高い走り!とか


いい練習をしていますね。となりますが、今自分が走っている負荷が10分走と比べてどのくらいの強度・・・とか。
考えて走っていますか。


30分間のレースを、2分走の時と同じ負荷で走っていませんか?


レースや練習をしている時に、『今、走っている負荷がどれくらいの時間持つペースだ』と自分で自覚しながら走っていると、自然とレースでタレない走りができるようになってきます。
そして、レースでは日々の練習にはない「応援」というパワーの源があるので、日々の練習よりは力を持続することができます。
それらも頭で整理した中で走ると、レースがより面白くなってくると思います。


レースでは、その時、その時で力を短く発揮しないといけない場面があります。
その時も「自分がこれくらいの負荷で走っている、これだと30秒はいける」などと、自分の力と相談しながら走ると、レース時間トータルでのスピードアップにつながると思います。


自分の大好きな言葉に『今この時全力で。』
という言葉がありますが、『自分をコントロールしながら今この時全力で。』が今の自分にはピッタリだな。と感じる今日この頃です。


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photo by Kasukabe Vision FILMz_ODA


大切なのは自分の中で基準になる負荷を決めることです。
今回はわかりやすく「10分間」というものを挙げましたが、それは人それぞれです。
まずは自分の中にある基準を見つけてみることが上達へのカギになると自分は思います。


長々となりましたが、何かのヒントになれば幸いです。



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