はじめて訪れる地チェコ。今回WCの会場となった場所はプラハから約200kmの場所に位置するNove Mesto Na Moraveという街で行われた。チェコではMTBが非常に普及していて世代広くバイクに乗る姿を目にする事ができた。そのほとんどがMTBな事に驚いた。10日間この地にいる事でその理由はすぐに理解することができた。それは、MTBを乗る環境が豊富にあるのだ。街にはMTBマップが存在し、自転車専用の看板をあちこちで目にする事ができた。
今回チェコにはレース当日の10日前に入国した。時差ボケを完全になくす事と、早い段階でコース試走をするためだ。コースは前情報の通りテクニカルで、人工的に作ったセクションは勢いだけではいけない絶妙な作りになっていた。幸いこのようなコースは自分にとってはやる気を倍増させる良いスパイスで、レースに対する良いイメージがどんどん膨らんでいった。金曜日にはキャノンデールグローバルチームのFONTANA選手との2人での試走ができ、世界トップクラスのライン取り、身体の使い方、バイクコントロールを目のあたりにする事ができた。レベルアップのための近道はこのような機会を得る事、そしてこれを特別じゃなく、普通の事にする事がベストな方法だと思っている。
レース当日までは充実したトレーニングを積む事ができた。レース当日、心に決めた1つの事。それは『自分を隠さずすべてを出す事』。これは、自分の気持ちを熱くさせ、不安感をなくし、気持ちを落ち着かせることができた。スタート位置はアジア選手権、日本選手権でのUCIポイントの加算でこれまでよりも3列ほど前の列に並ぶ事ができた。スタート時間が近づくにつれて会場の雰囲気は最高潮に達し、号砲とともにレースがスタートした。スタートが舗装路という事もあり、スピードは一気に上がり集団内が不安定になると同時に落車が発生した。自分の目の前での落車にそのまま追突するしかなかった。バイクトラブル、身体のトラブルがなかったのですぐに再スタートして失った時間を取り戻すためにペダルを踏み倒した。狭いシングルトラックに入ると一気にスピードは落ち、身体のぶつかり合いで自分のラインを守るのに必死になった。今回のコースのシングルトラック上りは斜度が急で一度足をつくと再スタートが困難な場所が多く、慎重にクリアしていった。スタートループを含む1周目はストップ&ゴーの連続で幾度となく自転車から降りて選手の間をクリアしていった。
2周目。まだまだ1列棒状の状態に一気にジャンプアップしたいところ。しかし、スタート後のインターバルが想像以上に足への負担となり、ペースを上げる事ができずに2周目が終わってしまった。
3周目4周目。今回のレースで一番集中できた時間帯。FONTANA選手との試走で知ったラインをミスなく走る事ができた。こういう時はコースが小さく感じる。この時間帯を活かして順位アップさせようと積極的な走りを続ける。同じような位置を走る選手と競るなかで負けることなく順位を上げていくことができた。
5周目。一気に身体が重くなるのがわかった。しかし今日はそれを楽しむことができた。足が攣る→追い込めている。足の乳酸を感じる→もっと追い込みたい。と気持ちが走りのプラスになるのがわかった。そしてチェコの本当に大勢の観客の応援が異国の地でも力になるのが感じられた。
6周目。ゴールゲートをくぐる時、トップとの差が9分以上ついている事がわかった。これは、ラストラップになると思い、持っていたジェルを飲み干し、自分のラストラップでの最高の走りを心がけた。今はトップとの力の差を気にするよりも自分の力を本番ですべて出す事が今後のためになるので、自分のすべてを出すことに専念した。ワールドカップ#6チェコのゴールは80%ラインになってしまったが清々しくレースを終える事ができた。結果は78位。(-2Laps)これまでのワールドカップ最高位である。最大心拍数188拍。平均心拍数178拍。
今回のワールドカップでもスタートに課題の残る結果となったので、次戦ワールドカップ#7イタリア(8月20日)ではもっと落ち着いてスタートしたいと思う。身体、メンタルの状態が良い事が感じられたのでイタリアではもっと上位のポイント圏内(60位以内)を目指したいと思う。引き続き応援よろしくお願いします。