WORLD CUP#3 Offenburg

2011年5月30日


『重厚』そんな雰囲気が人から、物から、街から感じられるドイツのワールドカップに参戦してきた。この雰囲気は好きで自分の波長に合うのがすぐに感じられた。先週に引き続きのワールドカップなので、気持ちの面ではとても良い状態で臨む事ができた。結果は-1Lapの96位。最後尾からのスタートでは混雑は避けられないので、スタート位置をもっとあげてはじめから流れる位置でレースがしたいと強く感じた。UCIポイントを上げるしかない。今回はこれまでのヨーロッパ遠征の中で一番追い込む走りが出来た事。そして、強気な走りをする事ができたのが大きな収穫だった。今年前半の海外遠征はここで一段落。身体を休めてもっと追い込める身体を作りたいと思っている。


 さてレースレポート。今回は金曜日行われたショートエリミネーターという新種目に参戦した。これは約1kmほどのショートコースで行われるレースで、自分に今必要な要素が含まれるレースだと判断して、自らエントリーを決めた。ここで良い刺激をプラスして、日曜日を迎えた。


 天候は晴れ。コース状態は激しく乾燥していて、少しコースを走るだけで砂埃が立ち上がる状態だった。コースは、大きな上りが3回。テクニカルエリアは5つくらいあり、どれも集中力と身体を大きく使う必要のあるエリアだ。気温も高い事からレース前から水分補給を多めにしていった。

今回は前回のレースで学んだ事にプラスして、今の自分の課題を頭に入れてスタートラインに入った。スタート位置は前回と同じ最後尾。『図々しくスタートはいく。』これを頭にカウントが始まった。スタートはうまくいき、スムーズに流れていった。しかし、ちょっとした上り返しで渋滞。そして、また渋滞の連続。下りは砂埃で路面が全く見えない状態を突き進んでいく。クレージーにならなければいけないのだ。『図々しく。ズル賢く。』スタートループは集団に飲み込まれる形であっという間に終わった。


 1周目。コースが細くなる部分では渋滞が発生し、思うように走れなかった。コーステープギリギリを走って選手をパスしていった。ストップ&ゴーの連続で想像以上に足にきた。


 2周目。レースが流れ始めた。前回もそうだったが、ここからがレースだと、気持ちを切り替える。上りでは走りやすいラインを外してパスしなければいけなくて、ここでも足を使った。それでも終わらないのが今年の自分。自信を持ってプッシュしていった。


 3周目、4周目。この周回が一番身体が動いた。気持ちと身体が1つとなり、パワーがペダルに乗るのがわかった。


 5周目。身体がきつくなってきたのがわかった。しかし、周りもキツイ顔をしている。上りで差をつけ、下りで離す走りを繰り返していった。ドイツの観客はとても多く、声援が身体を後押ししてくれた。言葉じゃない、気持ちの応援が力になるのがわかった。


 6周目。1つ1つの上りで足が攣るのが感じられた。深呼吸を繰り返し、攣る足でダンシングを繰り返していった。トップとの差は随時確認していたので、最終周回なるかもしれないと思い、前に見える選手を抜いていった。  80%エリアで、またしてもレースを終えた。終わりは急にやってくる。結果は96位。最大心拍数193拍(98%)平均心拍数179拍(91%)


 今年2つ目のWCを終え、スタート位置の重要性を身をもって体験した。もっと前で勝負がしたい。正直な感想だ。そして、『図々しく走る』というこれまであまり感じた事のない感情が芽生えてきている。クリアな部分だけじゃ前には行けない。結果を出すために必要な要素だ。2月から続いたヨーロッパ遠征もここで一度終わり。とてつもなく大きな経験を重ねる事ができた。そして、それを力に変換していけたと実感している。ここからは結果を出すレースが控えている。この経験をフルに使って、実りある中盤戦、後半戦につなげていきたいと思う。スポンサー、ファン、家族に支えられてこの活動が出来ている事に感謝しています。向かう方向が見えているから、それに向かっていきます。引き続き応援よろしくお願いします。


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